前回負けブックを飲んだ次元さんが、主役として思う存分大暴れする第4話です。
ウェスタン調の舞台立ての上に、クールな女医とクセのある爺、次元が持つ殺しの哲学を踏みにじってくる悪いヤツと、分かりやすい登場人物が勢揃い。
24分間で綺麗にまとまった、ルパン2015の良さが全部出たような個別エピソードでした。

今回のお話は『次元大介』という男を説明する回なのですが、彼を際だたせるライトが2つあります。
一つは女医さんで、彼女はロマンスの予感を感じさせつつも、あくまで命の側に立つ医者として次元を目立たせる。
拳銃を握って殺しを生き様する次元と、メスを握って人を救う女医との対比は、救済のツールであるメスが誤って殺人道具として使われそうになる、一連のシーンで際立っていました。
メスを取り上げた次元の赤い血がツツーっと垂れるシーンのショッキングさとか、別れ際髪とメガネを解いておさえていた女を開放する所とか、演出が分かりやすいのが今回のルパンの良いところだ。


もう一人の照明はもちろん敵役のエリクでして、次元の商売道具であり彼を表現するフェティッシュでもある銃を弄ぶ、とっても悪いやつ。
彼が象徴する『悪い非殺』があればこそ、次元のスタイルである『ただの殺し』がかっこ良く見えてくるわけで、エリクが憎たらしく無様であることは、凄く大事であります。
そういう意味で、『銃を使うのに殺さない、でも殺したのと同じ』というエリクの回りくどいスタイルは、次元のストレートで真っ直ぐな生き方を照らす、良い照明だったんではないでしょうか。

今回はモノの描写が印象的だったのも特長で、『落ちます』と書いてあるシャンデリアとか、先述したメスとか、モノに込められた意味が分かりやすい回だったのではないでしょうか。
そういう意味合いでは、やはり主役は次元の相棒、M19。
今回のマグナムはエリクが強調する『悪い非暴力』に対抗する神器なわけで、ビッチリとキマった見せ方をしっかりしていたのは、お話しのラインに沿った見せ方であり、非常にグッドだったと思います。


『圧制的な悪漢が支配し特殊なルールが敷かれた街に、ガンマンが流れ着いて嫌々ながら事件に飛び込み、サラッと解決して去っていく』という今回のお話しの形は、典型的な西部劇。
というか、時代劇といいますか無宿物といいますか、オールドスクールなサムライドラマの形を現代風に仕立て直したといいますか。
演出の意図をかなり直線的に伝える見せ方といい、やっぱりルパン4thはあえて昔に立ち戻った上で、要所要所のパーツを現代風に磨き直しているチューンなのだな。
古かろうと新しかろうと良いものは良いのであり、今回の『ルパン一味の寄り道』の煙臭いフレイバーは、やっぱり素晴らしかったです。

銭形のとっつぁんがエンディングフェイズで乱入してきて、超人度高い演出をぶん投げて帰ってましたけども、ルパンってエピソードごとにリアリティレベルも超人力も変わわけで、とっつぁんがシャドウゲームするのは良かったです。
あの人コメディ・リリーフの印象が強いけど、身体的にも精神的にも超人だしね。
ここらで有能描写を入れておかないと、あのジェームズ・ボンドもどきに印象で負けちゃうし。

そんなわけで、ルパン一味の頼れるガンマン・次元大介を紹介するエピソードでした。
お話しの起伏がわかりやすく、24分間見終わって充実感があるのは、ルパン4thのすげー良いところだよなぁ。
来週は妖しい女峰不二子の個別エピソード。
新シリーズ全体に漂う明瞭さと切れ味を、巧く維持して不二子の魅力を見せて欲しいところです。